私の念願のひとつに、古い民家のかたちと文化を後世に残したいという思いがあります。もちろん、そのような環境で子育てをしたいという家族としての希望もありますが、私が主宰する研究会「繊維が結ぶ里山文化」や「里山文化の会」の活動拠点としても利用しています。
500坪という里山環境にひっそりとたたずむ大正2年築の農家の母屋を再生。今回設計施工をお願いしたいのは久喜市の和田工芸。和田さんとは数年前にJMRAのページをみて、古民家再生についてお伺いしたのが最初の出会いでした。開かれた再生事業にしたいという私の希望で本プロジェクトを立ち上げました。これまでの経緯は下記の再生日記をご覧ください。今後もワークショップやイベントを開催していきますので,ご興味のございます方はご一報いただけましたら幸いです。
現在,高根沢町の陽だまり保育園の移転計画が進行しています。そこで,築250年の古民家を移築して子育ち環境を創造しようと移転準備委員会が発足しました。そこでの実行委員長を務めております。皆様のご支援をお待ちしております。詳しいことは下記のURLをご覧ください。
http://www.hidamarihoikuen.org/minka/
栃木県塩谷郡高根沢町大字桑窪(元気あっぷ村の近隣です)
民家再生フォトギャラリーNo.1はこちら(出会いから解体WSまで)
民家再生フォトギャラリーNo.2はこちら(茅下ろしWS〜茅葺き前)
民家再生フォトギャラリーNo.3はこちら(茅葺きの軌跡)
民家再生フォトギャラリーNo.4はこちら(木工事)
民家再生フォトギャラリーNo.5はこちら(左官工事)
民家生活フォトギャラリーNo.1「春夏編'08」(4月から新生活が始まりました)
民家生活フォトギャラリーNo.2「秋冬編'08」(いよいよ試練の季節です)
民家生活フォトギャラリーNo.3「春夏編'09」
古民家再生を通して感じたことを綴りました。私が活動しているNDPC(天然染料顔料会議)の07年度会報に寄稿したものです。著作権は放棄しておりませんので、無断での転載・改変等は固くお断り申し上げます。
こちらをクリックしてください。→
report07.pdf
染人里山庵プライベートブログはこちら(ココログ)からご覧ください。
このHPをご覧いただいている方は、おそらく日本の伝統建築に多かれ少なかれ「魅了」されておられると思います。そして、願わくば伝統工法を含めた素晴らしい木の文化を後世に伝えたいと考えてくださっていると存じます。
しかし、庶民の夢でもあるマイホームを逆手にとった事件を受け、国交省は平成19年6月20日に「改正建築基準法」を施行しました。詳しくは和田工芸社長のブログをご覧いただくとして、法律によって伝統工法で立てられた家を既存不適格住宅としてしまい、スケールの大きさに関係なく増築改築の際には、大手メーカーが主流となって行っている工法で補強しなければならないのだそうです。集積材と細い部材を金具でとめるアレです・・・さらに、4号建築物(簡単にいうと庶民が立てるような規模の住宅)の特例が解除されると、構造計算書を添付しなかればならいようです。古材や梁構造で耐力を維持している古民家は、もちろん現代住宅と同様に計算できる代物ではないはずです。さらに、古材や無垢の柱などの強度はばらつきも大きく、非破壊検査を実施するには莫大な費用がかかってしまいます。結局耐力があることを証明できず、余計なところに費用がかかってしまい、伝統工法で古民家を再生することを諦めざるをえないという理屈になります。さらに、さらに、瑕疵保証担保責任により、新規に建築するには二千万円の供託金を積まないと請負うことができないというのです。数十年したら使い捨てになる家を建てること自体に問題があるにもかかわらず、本当に素晴らしい仕事をしている者を排除する。何と理不尽なことでしょうか。
大手建築土木メーカーが貪る利益により、この国の木の文化が育んできた循環的な伝統や工法が廃れてきたというのに、さらに大きな力を得ようとする業界支援をする国会議員と霞ヶ関。地域のためとか、分権とか、真に頑張る人を応援するとか、郷土を愛する心を養うとか・・・これらは全て虚構なのでしょうか。食育についてもそうです。伝統文化を守り、豊かな人間を育成するとしながらも、地域の農業や伝統、文化を守ろうというアクションはどこにもありません。伝統や文化といった民族が長きに渡って醸成し、継承してきたものを否定するような国は、存在価値そのものがないといってもいいでしょう。次世代に日本を継承したいなら、本当に目を覚ましていただきたい。道路特定財源でいかにも「国民のため」のような論戦で大変でしょうが、自分たちが国会で承認してきたことが、本当によかったのかどうかチェックしてもらいたい。この国の最も悪いところは、「後戻り」ができないと従来の主張を繰り返すことではないでしょうか。「自立と共生」とおっしゃるなら、国民にもっと選択肢を持たせるべきでしょう。自分たちが作ってきたチェック機能の不備を棚に上げて、押しつけの法改正ほど国民をバカにした論理が他にあろうか・・・
宇都宮大学教育学部衣生活環境学研究室
佐々木和也(准教授)
sasakika@cc.utsunomiya-u.ac.jp
TEL&FAX: 028-649-5369(Office)